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今回の演奏会では、「Swinging Baroque」という曲集から、
- バッハ: Swinging "Anna Magdalena"
- シャルパンティエ:Swing the "Prelude"
の2曲を演奏すべく、練習中です。

この「Swinging Baroque」という曲集は、わたしが2年前、旅行でドイツのケルンでたまたま見つけたものです。息子と一緒に、知人宅に泊めてもらい、午前中は有名なゴシック聖堂「ドーム」など市の中心部の名所を見て回った後、遅めの昼食をとろうとしてうろうろしていたら、楽器屋さんをみつけました。それほど大きくないけれど、なかなかセンスの良さそうな店です。息子が打楽器を見ている間に、わたしは楽譜売り場へ。
「男声合唱の曲集はない?」
と店員にたずねたところ、柱近くの床の方、隅っこの目立たぬ場所に、楽譜が置かれておりました。男声合唱ってマイナーなのかなあ、と思いつつ、物色しているうちに、この曲集を発見。すぐ購入して土産に持ち帰った訳です。

収録曲は7曲。Charpantier, Bach, Fux, Mozart(2曲), Handel, anonymousが入っています。編曲はHenry O. Millsbyという人。1956年・オーストリア生まれで、国際的に活躍しているポピュラー系の作曲家兼アレンジャーさんだそうです。

編成はすべてT/B1/B2の三声。B1とB2はバリトンとバスという訳ではなく、バスが二声に分かれる形で、しばしばB2はB1よりも上を行きます。(これが結構高いので、今回バリトンで助っ人に入ってもらった吉村さんには、B2を歌ってもらうことになりました)

歌詞はすべて「ダバダバ、ドゥードゥン」式のジャズ風スキャットです。だから易しいと思ったら、これが結構難しいの。口の形がぶれると、すぐ音が散って音程も乱れるんですね。単純なものほど難しい。

それでも、11日の練習では(吉村さんの助っ人効果などもあり)、やっとリズミカルな音楽らしい形になってきました。こうなると、歌っていて楽しいし、練習もやりがいが生まれてきます。バッハのメヌエット、シャルパンティエのテ・デウム序曲がどんな風に「ジャズっぽく」なるのか、皆さん乞うご期待ね!


昨日の練習から、吉村邦順さんがアンサンブル・ハイブリッジに助っ人として参加されました。11月24日の演奏会まで、一緒に練習し、一緒に歌っていただくことになりました。ちなみに吉村さんは、小生の昔からの古い友人でもあります。

彼はもともとテナーの歌い手ですが、器用な人なのでバリトンもバスもこなす、ちょっとしたマルチ・タレント。という訳で、現在、わずか5名のアンサンブルで最も声が手薄なパートを歌っていただきます。

昨日の練習は、吉村さん、高戸さん、松尾さん、佐藤の4名でしたが、さすがに声がしっかりして、バードの「三声のミサ」も、「Swinging Baroque」も、すごく音楽として厚みが出てきました。こうなると、練習にもさらに張り合いが出るというもの。演奏会までが楽しみです。

昨日は、用事で神戸にいらっしゃる鈴木さんを除く4名全員が参加しました。11月末の本番まであと2ヶ月ちょっと。これからはだんだん練習も上り坂(上り調子?)ですね。

ところで、例によって発声の話をします。高橋先生がよく、唄っている最中にぼくらに指摘されるのが、「そのままの位置でいて」という一言。これって、文章だけでは分かりにくいと思いますが、同時に必ず指先が喉を指しています。つまり、高い音を出したり、音程が跳躍したりする際に、“喉の位置を上に吊りあげてはいけない”ということを言われるのですね。

我々は、高い音を出そうとするとき、ほぼ無意識に、声帯を上に持ちあげようとします。それをやめて、中声や低声と同じところに声帯を置いたまま歌いなさい、と。そういう注意です。

ですが、これがとっても難しい。ちょっと試してみると分かりますが、高い音はどうしても緊張します。緊張すると喉が上がってしまう。それを上げるなって言ったって、あんた。

まあ、それがどうかすると、すらっと出ることがある。うまく緊張がはずれた時ですね。まわりで聞いていても、「ああ、今の高音は自然だしずっと響きが良いな」と感じます。でも、“意識して緊張をはずそう”ということ自体、なんだか無理がある。次の回は、また上がってしまったりする。

これを防ぐメソッドとして、高橋先生がしばしば指導されるのが、ファルセットの練習です。発声練習で、我々に、バスだろうとバリトンだろうと、裏声を出せと要求する。最初、なぜこんな練習をされるのか分かりませんでした。それがあるとき、
「ファルセットを出すときには声帯を下ろしたままで誰でも歌うでしょ? 高音でも反射的に喉を持ちあげないようにする練習です。」
と説明されて、疑問氷塊。

爾来、ファルセットを積極的に取り入れています(てか、自分はトップテナーだからファルセット当たり前なんですが・・)。

先週行われた夏合宿の写真を、アルバムにアップしました。
ご覧ください。

(佐藤知一)

昨日と今日は、一泊二日のアンサンブル・ハイブリッジ夏合宿でした。高橋康人先生の指導の下、5人のメンバーが全員で、久しぶりにこの11月に控えた演奏会のための曲目を一通りさらいました。

場所は、蓼科高原の鈴木太郎さんの別荘です。一昨年に続き、二度目のご厄介になりました。さすが合唱好きの方が自分で設計し建てられただけあって、天井の高い大きな木造空間は、とても響きが良く、歌の練習に最適でした。
また、水も美味しく、地物野菜も美味しく、空気も美味しい(そしてお酒も)ので、大いに命の洗濯になりました。

練習の中身は全部は説明しきれませんが、今回印象に残った一言。高橋先生の、「テクニックというのは、余計なものを捨てていくためにある」というお言葉でした。こわばりだとか、力みだとか、作りすぎた音を捨てて、自然な状態になるべく近づくこと。そうして初めて、歌の楽しさに接することができる。--とても含蓄の深い言葉ですね。
できるだけ、そういう風に進んでいきたい、と感じる歌の練習でした。

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